【症例紹介】中学生の「足の裏の痛み」
毎日部活でたくさん走っている中学生が、朝起きたら左足の裏が痛くて足がつけないという症状で来院されました。歩くことすらつらい状態でした。
■ 来院時の状態チェック
触診と視診で以下を確認しました。
- 左足底の筋肉が腫れており、右足と比べると厚ぼったく熱感がある
- 足裏を触ると強い圧痛
- 体重をかけるだけでも痛みが増強
- 疲労骨折が起こりやすい第五中足骨や、有痛性外脛骨ではないことも確認済み
■ 診断:足底腱膜炎
症状と検査から 足底腱膜炎 と判断しました。
■ 考えられる原因
左右の足関節の傾きに差があり、
とくに左側は足関節がズレた状態で走り続けていたため、足底の筋肉が常に引っ張られる形になっていました。
この負荷が続くことで、
牽引ストレス → 筋肉・腱の微細損傷 → 炎症 → 強い痛み
という流れが起きたと考えられます。
■ 施術内容
痛みの原因に対して以下のアプローチを実施しました。
① 炎症へのアプローチ
患部の腫れと熱感を抑える処置を行い、組織が回復しやすい環境を作ります。
② 足関節のズレを整復
足首のアライメントを整えることで、足底にかかる牽引ストレスを軽減します。
③ 足底筋の負担を減らすテーピング
足底腱膜をサポートし、炎症部位の負担を抑えます。
■ 経過と回復スピード
牽引ストレスで組織が傷ついている場合、
その場で痛みは軽減しても傷口自体が即座に治るわけではありません。
炎症が治まるまでの**約72時間(3日間)**は安静が必要です。
今回のケースでは、
- 2日目:痛みが大幅に軽減
- 3日目:ほとんど痛みを感じない状態に回復
という、とても良い経過をたどりました。
■ 早期の適切な処置が回復を早める
今回のように、
初期の段階で正しい評価と処置を行うことで、治るまでの期間を大きく短縮できます。
部活動などで足の裏・かかと・足首に痛みが出やすい年齢でもあるため、
「ただの疲れかな?」と思った時点で早めのチェックをおすすめします。


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